スペインの歴史を旅するII ~近世の国家と社会~
日程:2025年4/12、4/26、5/10、5/31 (土曜日11:00-12:30) 会場:インスティトゥト・セルバンテス東京 講師:立石博高(東京外国語大学名誉教授) 参加費:18,000円(内消費税10% 1,636円) 言語:日本語 スペインは地域ごとに自然環境が異なり、人びとが歴史のなかで創りあげた景観や暮らし方も大きく異なっている。「情熱の国」という言葉で一括りにすることはできないのだ。 本シリーズの~近世の国家と社会~では、多様性をはらんだ中世世界のうえに築かれたスペイン近世(15世紀末~19世紀初め)の時代を概観する。
まずはスペイン君主国を成立させたカトリック両王の統治の特徴を押さえたい。それは「スペイン統一国家の実現」という国民史学的神話にはほど遠い「複合君主政」であった。次にハプスブルク朝スペインを誕生させたカルロス1世(カール5世)の「遍歴の国王」という実態に触れ、「太陽の沈まぬ帝国」と豪語されたフェリーペ2世の時代の光と影について論じたい。 さらに17世紀のスペイン君主国衰退とこの時代に花開いた黄金世紀の文化の特徴を述べたい。
最後にブルボン朝スペインが展開した18世紀についてカトリック的啓蒙の諸相に光を当て、やがて近世社会崩壊に至る旧体制の危機を見ることにしたい。 本講義の流れは、拙著『スペイン史10講』の第4講~第6講に沿うが、できるだけ図像資料を活用しながら、ビジュアルなかたちでの「スペインの歴史」へアプローチに努めたい。 プログラム 1)カトリック両王の統治からハプスブルク朝スペインの誕生まで 2)フェリーペ2世と「カトリック君主国」 3)スペイン君主国の衰退と黄金世紀の文化 4) カトリック的啓蒙から旧体制の危機へ
