【スペイン語講演】フランシスコ・デ・ゴヤ《ロス・カプリチョス》
フランシスコ・デ・ゴヤの《ロス・カプリチョス: 寓意に満ちた幻想版画の世界》(1799年)は、美術史における版画芸術の頂点のひとつに位置づけられる作品集です。人間の愚かさや社会の矛盾を鋭く風刺した本作は、当時の啓蒙思想とも深く響き合いながら発表されました。
発表後まもなく多様な経路で広まり、アラゴン出身の画家ゴヤの名声を決定的なものとしました。
記録によると、初版は300部が制作されましたが、その後の所在や来歴は一様ではありませんでした。散逸したものも少なくない一方で、個人コレクションとして守られてきた作品や、スペインをはじめ、アメリカ、オーストラリア、日本など、世界各地の美術館に収蔵されている例も確認されています。
本講演では、まず《ロス・カプリーチョス》の制作技法と創作過程に光を当て、続いて各版の特徴を整理します。さらに19世紀における流通と受容の広がりをたどりながら、本作がいかにして「版画の傑作」としての地位を確立していったのかを考察します。
