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『南部高速道路』著フリオ・コルタサル

『南部高速道路』著フリオ・コルタサル Biblioteca

この物語は、1964年に書かれ、ほかの短編集とともに『すべての火は火』という作品の中に収められている。フリオ・コルタサルは、フランスのフォンテーヌブローとパリ間における、日曜の午後に生じたかつてないほどの大渋滞について描いている。各々が、そのメーカーとデザインによって判別される車に乗りながら、ここ最近の出来事を忘れて、パリで過ごす日常生活に戻りたいと渇望している。

アリエル・ドルフマンは、「この『南部高速道路』は、私たち人類が向かっている方向へとの危険性について警告し、さらには、当たり前のように普及しているとされるグローバル化が進む現代において、必要とされているテクノロジーに対して批判している。」と語っている。

また、ガブリエル・ガルシア=マルケスは、「偶像とは、私たちに関係性や尊敬、そして親しみや愛情だけではなく、驚くことに、大きな妬みをも抱かせるものだ。コルタサルは、ほかの数少ない作家たちと同様に、それら全ての感情を呼び起こしたものの、それだけでなく、非常に稀にしか見ることのできない、尊敬の念をも抱かせたのである。」と述べている。

さらに、ジャン=リュック・ゴダールは、彼が1967年に発表した『ウィークエンド』という映画を作るための着想を、この素晴らしい作品から得ている。

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