イチゴのところ

リナは、イタリア北部農民の老女。背中が曲がっていて地面に顔を向けて立っている状態。夜明けになると毎朝、彼女は野菜やイチゴを売っているトリノ中心部にあるヨーロッパ最大のポルタパラッツォ市場に通う。リナの人生は彼女が言うとおり「家－教会－仕事」。彼女には子どもはいないけれど、5匹の犬と彼女に仕事を辞めてほしがっている夫のジャンニがいる。ある日、市場でハッサンという仕事を求めてイタリアに来たばかりのモロッコ移民の青年とかかわることになった。「イチゴのところ」は、若いスペイン人女性である映画監督の目を通して、7年に渡り、大きな青空市場というどこにでもありうる、ありふれた場所を撮影したもの。この映画は何よりもフィールドワークを要に最も本質的で純粋な人間の価値に迫る詩的映画。